2008年3月25日火曜日

信託法92条

信託法92条には信託契約によっても制限できない、受託者としての権利が記載されている

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新信託法の下,受益権とは,①受益債権(「信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権」)と,②これを確保するための権利(「法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利」)の総体である(2 条7 項)。

受益権を有する者が受益者であり,受益者は受託者の行為を監督する重要な役割を果たすことが期待されている。

例えば,

  • 受益者は受託者の辞任(57 条1 項),新受託者の選任(62 条1 項),信託の変更(149 条),信託の終了(164条),受託者の責任免除(42 条)等,信託に関連する意思決定権を有し,
  • また受託者に対する監督権を行使するため,信託事務処理状況の報告請求権(36条),帳簿等閲覧等請求権(38 条),受託者に対する損失てん補・原状回復請求権(40 条1 項),受託者の権限違反行為の取消権(27 条),利益相反行為の取消権(31 条6 項)等,信託行為(信託契約等,信託の方法のこと。2 条2 項)によっても制限できない権利が多数,新信託法中規定されている(92 条参照)。

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